トケラウ旅行記
トケラウ行の船はガチで長い。。世界の最果てへようこそ。

2011/2/8(火) 89日目 トケラウ学
【本日の行程:アタフ環礁】



昨日、奥さんが自分の滞在や次の船についていろいろ調べてくれたようで、
どうやら18日に到着する船の前に、貨物船が14日にアタフに寄港する予定らしい。
せっかくなのでこの船に乗ってヌクノヌかファカオフォに行こうかな?


渡航許可なしに上陸してしまったのですが、なんだかもう問題ないようです。
その裏話について聞いてみました。

まず、トケラウには各環礁ごとに、Tapulega(タプレガ)という議会があるようです。
このタプレガは毎週月・水・金に話し合いの機会をもつようで、昨日がちょうど会議の日だったらしい。
そんなタイミングで奥さんが、
ちょっと日本人がうちに来てるんだけどアピアからの申請書見てんの?って確認してくれたところ、
あぁ、申請来てたけどそういえば放置してたわ(笑)
という訳だったらしい(涙)


で、旅行者の渡航を許可するかどうかは、このタプレガと呼ばれる会議で決めるようです。
ということで、昨日、ずっと放置したままだった渡航許可について話し合われることに。

マタイ1「ふむふむ、まぁ良いんじゃないか?来ても?」

マタイ2「そうだな、じゃあこの日本人の渡航を許可するという事で。」

マタイ3「うむ、それで決定だ。で、この日本人はいつアタフに来るんだ?今どこにいるのかね?」

女性1「もうアタフに居ますよ。

一同「・・・・・。(暫し沈黙。。)」


という、素晴らしいやり取りが繰り広げられたそうですwwwwwwwwwwww
ドクター!!全然、駄目じゃないですか、ドクター!!!wwwwwwwwwwwwwwwwww





さらっとマタイと書きましたが、皆様マタイをご存じでしょうか。
サモアではお馴染みのマタイシステム。
マタイとは血縁関係で結ばれたコミュニティを総べる代表人物のことで、
マタイが親族の方向性をすべて最終決定する権力を持ち、家族の世話をするのです。

ここトケラウでもマタイシステムは存在しており、
アタフ環礁とヌクノヌ環礁については、
このマタイ達が集まってタプレガという議会を形成するそうです。
アタフには35人ほどのマタイがいるとのこと。

面白いのは、ファカオフォ環礁にもマタイシステムがあるものの、
ファカオフォのタプレガの参加者はマタイではなく、60歳以上の人という違いがあるということ。
ここからはドクターの推論なのですが、
たぶんマタイシステムはその昔サモアから輸入されたものなので、
実はファカオフォのタプレガが一番伝統的な形なのではないかとのことです。





ドクターがなぜそう推察するかというと、それはトケラウの戦国時代に遡ります。
そう、トケラウには遠い昔、戦国時代があったのです。
今はアメリカ領となってしまったオロヘガ環礁(スウィズ島として世間では知れらています。)という場所も含めて、
トケラウは昔、各環礁同士が激しく対立をしていたそうです。

そのうち、ファカオフォ環礁が、アタフ、ヌクノヌ、オロヘガ全てを攻略し、
他の環礁にいた住民を全て殺してしましました。
そして、ファカオフォのAriki(アリキ)と呼ばれる長達が誰もいなくなった環礁へ家族と共に移住し、
新しい家系を築いていったそうです。
まさかこの平和ボケしたトケラウにそんな重い過去があったとは。。
この歴史は学校で習うようですが、やっぱり普段は会話に出さない方が良い話題のようです。

今でも各環礁の一番偉い人物はアリキと呼ばれるそうで、
大抵はファイプレがアリキとなるようです。






さて、まとめるとこんな感じです。




マタイ:親族を取りまとめる長
タプレガ:各環礁で毎週月・水・金に行われる議会の名前
タプレガの参加資格:ファカオフォ→60歳以上/アタフォ・ヌクノヌ→マタイ
タプレガの参加者にはもちろんファイプレとプレヌクも含まれます。

では、トケラウ全体の会議はあるのかというと、
年に4~5回、General Fono(ジェネラルフォノ)と呼ばれる全大会議が行われるようです。
このジェネラルフォノへは各環礁から代表者が参加することができます。
参加できる人数は各環礁ごとに決められており、
その定員は環礁の人口約100分の1の人数になるそうです。
例えば、アタフ環礁の人口はだいたい650人程なので、ジェネラルフォノへの参加人数は6人。
ヌクノヌ環礁は一番人口が少ないので4人しか参加することができません

定員が決まったら、次は誰が環礁の代表としてジェネラルフォノへ参加するかを決めなければなりません。
まず、自動的にファイプレとプレヌクが代表として選ばれます。
続いて、環礁のAumanga(アウマンガ:村全体的な、男という意味)代表、
Fatopaipai(ファトパイパイ:村全体的な、女という意味)代表として各1名ずつを選挙にて決定します。
この選挙は3年に一度行われるファイプレとプレヌクの選挙と同じタイミングで行われます。
そして残りの人員はタプレガの中から選ばれるそうです。




ジェネラルフォノ:年4~5回行われる国会のような全体会議
参加者:各環礁の代表として選ばれた、
ファイプレ、プレヌク、アウマンガ、ファトパイパイ、残りはタプレガ参加者。

そして、トケラウの首相にあたる地位の人はUlu(ウル)と呼ばれ、
ウルは各環礁のファイプレが1年交代で務めます。
3年ですべての環礁のファイプレが一巡し、また各環礁ごとに選挙が行われる、という流れになります。
ちなみに、ジェネラルフォノの開催地は、その年のウルが所属する環礁で開かれるそうです。

このことからも、地位的にはファイプレのほうがプレヌクよりも立場が上のようです。








来てみるまで全然知らなかったけど、
トケラウって案外歴史が深いんですね。
うーん、興味深い。
サイトマップ
inserted by FC2 system