ネパール旅行記
トレッキングに挑戦するものの、いつ心が折れるか心配です。
折れるなら帰りが楽になるよう、早めに折れて欲しいなぁ。

2012/10/12(金) 23日目 エベレストトレッキング7日目~戦線離脱編~
【本日の行程:ディンボチェ ⇒ ロブチェ】

ディンボチェ (4410m) 8:15 → Thokla (4620m) 9:40 → ロブチェ (4910m) 11:30

本日はいよいよ5000m手前で宿泊します。
昨日感じてた高山病の症状も完全に消え去りました!

さよなら、ディンボチェ!



今日も山の谷間を沿うようにして登ります。
平坦な道の脇は崖になっていて、底には川が流れています。
たぶん水流があるところだけ長い年月をかけて削られ下がっていったのでしょう。






遠くのほうに、Toklaを発見。
数日後、このそばを通ってチョラパス(チョララ峠)にむかうことになります。



天然湯沸かし器。
太陽光を集めてお湯を沸騰させる機械。
うちにも欲しいー。



さらに坂を上って、川を越えてー。



今日の目的地、ロブチェに到着!
ちょっと早く登りすぎたかな。
今日は午後がいっぱい暇だぞー!
よーし、高度順応!!



そしてこちらが今晩泊まるお宿。



ちょっと、他に比べて綺麗なんだけど!!



ここのトイレなら安心してう●こできるんだけど!!



【ロブチェ宿情報】
・MOTHER EARTH HOTEL 一泊500Rs
・Wi-Fi なし
・食事 250Rs~700Rsくらい 味は美味しい。
・ミルクティー 350Rs
・お湯 250Rsくらい
・充電 一時間400Rs

もともとナムチェにいたオーナーがこっちに移ってきたんだって。

あー、くつろげる!
窓からの景色はいかがなものか!





と、ホテルを散策していると、どこからか私を呼ぶ声が。。
恐る恐るある部屋を覗いてみると、そこは雑魚寝ができる大部屋で、
その部屋の隅には私のポーターのシェルパ君が!!


我「ど、どうしたの?シェルパ君??」

シ「た、体調が、悪いんだ、えへへ。はぁ。はぁ。」

我「どんな症状なの?」

シ「頭がひどく痛くて、咳が出て、吐き気もするんだ。はぁ、はぁ。」

シェルパ君、どう見たって、あんた高山病です。

高山病対策としては、

・水を一日3リットル以上飲む。
・1000mごとに高度順応日を設ける。
・高度順応日も歩くなどの運動をする。
・一日400mずつほど登る。
・どんなに疲れていても昼間は寝ず、夜にだけ眠る。
・禁酒、禁煙

などがあげられます。


我「とりあえず、ダイニングに一緒に行こうよ、ここで今寝るのは良くないよ。」

シ「うん、でも起き上がれないんだ。」

やっべ、思ったよりも重症。

我「わかった、とりあえずここで横になってなよ。何か欲しいものはある?とりあえず水をいっぱい飲むべきだよ。」

シ「水は良くないんだよ、お湯のほうが高山病には良いんだけど。」

我「あーはいはい、分かった、お湯を買ってくるね。他に何か欲しいものは?」

シ「だ、大丈夫、ありがとう。」




と、いうことで、しばらく放置して読書を開始。
景色は絶景なんだけどねぇ。。





3時間後、もう一度様子を見に行く。



我「シェルパ君、調子はどう?」

見た感じ、症状は悪化してるけれども一応聞く。

シ「う、うん、まだ良くなってないみたい。」

そりゃそうだろうね。

我「あれ、このビニールは。。」

シ「うん、吐いちゃった。はは、ぜぇ、はぁ。」

カンカンカン!試合終了!!

シ「思うんだけど、一度、ペリチェってところまで降りたほうが、良い、の、かも。」

我「分かった、とりあえず今は休んで、やっぱり治らないようなら降りたほうが良いよ。」

シ「だけど、明日一緒に、ベースキャンプに行くのが、僕の、責務、だし。ぜぇ、はぁ。」



あんたそりゃもう、責務とか言ってる状況じゃないべ。
だってさ、19歳の男の子が、目に涙をたっぷり蓄えて苦しんでて、
It's my duty...とか言ってるんですよ!?
私の荷物を背負った上で高山病になった訳だし。
当の私はおかげさまで高山病にもかからずぴんぴん。




我「とりあえず、こんな寒いところで一人で寝てても治らないから、一緒にダイニングに行こう。」

シ「うん。」






どう見たって高山病で苦しんでいるシェルパ君。
ダイニングに行くと、宿のスタッフさんも集まってあれこれシェルパ語で会議。
どうやら話はまとまった様子。


宿「彼は熱もあるみたいなんだよ。降りたほうがいい。」

我「僕もそう思います。ただ、私は明日、ベースキャンプに登ろうと思うんですが。」

宿「うちの宿で新しいポーターを手配できるよ。」

我「うーん。」

宿「そうだ、最善の方法がある!」

我「なんですか!?」

宿「要らない荷物は全部ここに置いて行って、一人で行けば良いんだよ。

我「えっ?

宿「そしたらポーターを雇うお金も浮くじゃないか、はっはっはっ!」

我「いやいやいや!」

宿「君のポーターはペリチェまで降りて、具合が良くなればまたここに戻ってくる。
君は一泊二日で上へ行ってここへ戻ってくる。
ポーター君がちゃんと戻ってこられればここで再開してトレッキングを続ければ良いし、
回復できなければまた新しいポーターを紹介してあげるよ。」

我「いや、でも、一人で行けるもんなんですかっ!?」

宿「大丈夫だよ、道は一本道だし、不安なら他のガイドについて行けば良いんだよ。」


近くにいた、他のガイドさんが声をかけてくれる。


ガ「俺は同じ道を行く予定だから、なんなら無料で一泊二日、連れてってあげるよ。」

我「いやいや、それ、ただのフリーライダーでしょ、白人さんのお客のお支払いに便乗でしょ!?」

宿「他にもたくさん人は歩いてるから、迷わないよ。」

ガ「最低限の服と寝袋をつめれば荷物も重くないし、大丈夫だよ。」

我「え、あ。」



シ「本当に、ごめん、ね、ちゃんと、戻ってくるから。。(涙)」

シェルパ君、君は自分の心配だけしてればいいからっ!




こうしてシェルパ君は再会を胸に誓いつつ山を下り、
私は一人で5550mへ向かう事となりました。(涙)
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